硝子

Sゝゝの硝子製品は、手作りならではのやわらかな歪みや、味わい深い色の表情を引き立てる造形が魅力です。
職人の高い技術を活かして、製作が難しいとされる細やかな硝子の表現に取り組んでいます。

硝子とは

硝子の主成分は、砂や岩石にふくまれている珪酸(けいさん)という物質で、二酸化珪素とも呼ばれています。
二酸化珪素が結晶化した石英(せきえい)という鉱物が砂状になったものが珪砂(けいしゃ)です。
一般的な硝子の原料は、珪砂にソーダ灰と石灰を調合したもので、そのほかに混ぜる物質を変えることにより、
クリスタル硝子や耐熱硝子など様々な種類の硝子が作られています。

歴史について

硝子の歴史は古く、約5,000年前にメソポタミアで誕生したとされています。
日本に伝わったのは弥生時代といわれ、弥生後期の遺跡から硝子炉跡と思われるものが発見されています。
飛鳥・奈良時代に入り、仏教伝来に伴って寺院や仏像の装飾に多用されるようになった硝子製品。
正倉院には多くの硝子製品とともに、硝子の原料や製造についての記録が残されています。
平安時代から鎌倉・室町時代にかけては、硝子の重要な遺物があまりみられないことから、
硝子製造は一旦衰えたと考えられています。
江戸時代には、長崎を経て海外から硝子製品や製法が伝わり、細かい細工を施した硝子がつくられるようになります。
古来、硝子は「瑠璃(るり)」や「玻璃(はり)」と称されていましたが、江戸時代以降、
ポルトガル語の「Vidro(ビードロ)」や、オランダ語の「Diamant(ギヤマン)」を語源とすると呼称も使われるようになり、
さらに、オランダ語の「Glas(ガラス)」を語源とする言葉が使われるようになりました。

Sゝゝの硝子製品

  • ランプシェード

    宙吹き(ちゅうぶき)と呼ばれる吹き硝子の技法で仕上げたランプシェードです。原料にもこだわって透明度を高めており、宙吹きならではのやわらかな歪みのある硝子を通して、やさしく、温かみのある光が灯ります。首元にデザインされた硝子の輪は、宙吹きで成型したシェード本体がまだ熱くやわらかいうちに、さらに硝子を巻きつけて製作します。厚みや位置、形状などをバランスよく表現するには、熟練した職人の技術が欠かせません。

  • 平茶碗

    宙吹きの技法を用いた、色硝子の配色が美しい平茶碗です。ひとつひとつ形状や色合いが異なる手作業ならではの不均一な美しさが魅力です。外側にはフロスト加工を施しているのでマットな質感になっており、硝子の表情の違いやなめらかな手触りをお愉しみいただけます。

  • 硝子急須

    バーナーワークという技法を用い、硝子管を回転させながら飴細工のようにひとつひとつ手作業で製作した耐熱硝子の急須です。機能と美しさを追求した形状が特徴で、職人の高い技術により、細部にまでこだわって作りあげました。煎茶やハーブティーなどの茶葉がゆっくりと広がる様子を愉しみながらお使いいただけます。