Sゝゝ[エス]の竹製品は、竹そのものの美しさや性質、質感を引き立て、無駄を削ぎ落とした意匠が特徴です。
熟練した職人とともに、伝統的な技法をもとに現代における竹工芸の表現に取り組んでいます。

竹について

竹は、温暖で湿潤な環境に育つ植物で、世界的には赤道を中心に北緯・南緯ともに35度付近にもっとも多く自生分布し、日本がその北限です。
日本に見られる竹の多くは帰化植物で、そのほとんどは中国原産であると考えられています。
竹はイネ科の植物で、稲穂のような花を咲かせ、その周期は120年程度。開花後、一斉に枯れることが知られています。
不思議な霊力のある植物とされ、古くは縄文時代の遺跡からも竹を用いた道具が多く出土しています。
古来より日本人にとって不可欠な素材の一つです。

性質と技法

竹を材料として使用するには伐採後、一本一本火に炙りながら、磨きあげるように油抜きをし、
その後数年にわたり長期乾燥させるなど、非常に手間暇のかかる工程を要します。
丁寧に仕上げられた竹は強靭かつ細工が容易で、弾力性に富んでいます。
「曲げる・編む」という加工が可能で“撓る(しなる)”という性質が最大の特徴です。
そのため、和弓や竹刀、釣竿など、撓りが必要な製品の素材として広く利用されてきました。
代表的な技法として、茶杓などにみられる曲げと削り出しの技術、編み込み形状を作り上げる技術があげられます。

Sゝゝ[エス]の竹製品

  • 魚匙

    白竹の魚匙です。
    京都府長岡京にて職人が手作業で製作しています。
    無垢の白竹から丁寧に薄く削り出しました。
    魚身をほぐしたり、平皿にはった汁などを掬うことができます。

  • 先細竹箸

    先の細さ、全体の形にこだわった、美しくしなやかな竹箸です。
    竹工芸の産地として名高い大分県日田にて手作業で製作しています。
    反りを防ぐため、また箸を転がりにくくするため、
    竹の皮を一辺に残す高度な技術を用いています。

  • 提籃籠

    二段式の提籃籠です。
    竹細工の高い技術を誇る大分県別府にて
    職人の手により無垢の白竹を丁寧に編み込製作しています。